カテゴリー別アーカイブ: B 的確なゴール/目的/戦略の設定

1個人PMの位置づけ-1-2プログラムマネジメント-B

LL振り返り20190624

パーソナルPM研究会_LL振り返り_20190624_公開用

『心は行動となり、行動は習癖を生む。習癖は品性を作り、
品性は運命を決する』
ひいては「その変わった心で毎日の仕事や生活に取り組むこ
とで、運命を変えられるのではないか」という思いも昂じて
きました。
私は、その昔自分のTo-doリスト項目が完了した時に、気づ
いたことを項目の右にちょこっとメモするのが習慣になりま
した。自分用なので一言だけなのですが。数年やっている
と、同じ気づきが何度も出るのがわかりました。
自分用に10年続けた結果がこうなった
優越を求める価値観  >  人生の成功に焦点
理性を求める価値観  >  真理の追求に焦点
安心を求める価値観  >  平等な社会に焦点

パーソナルPMコミュニティで3回にわたり、LLを見直しながら自分の人生の目標・目的について考えてきました。

深く考察を進めていく中で、自分がどの価値観に重きを置いているのか、これを考える指標になるものを編み出す必要を感じ、これまでにやってきたことを分類整理してきました。

今回もLLを振り返りながら、この会を通して自分自身が達成パーソナルPMについて考えていることを発表します。(6/24発表予定、この記事は6/22に書いています)

マルチステージの時代に

寿命の伸びは世界各国で顕著です。この60年ほどを見れば次のグラフのようになっています。日本では1947年から詳しい統計がとられていますし、欧州各国では19世紀半ば、または1920年代から作成されてきたのに驚きます。公開されている“Human mortality database”に蓄積された38か国のデータの中で、上昇傾向以外の複雑な動きはロシアだけで他に例外はみあたりません。(図が見づらい時はクリックしてご覧ください。)

例えば2007年に生まれた人の平均寿命は軽く100歳を超えるとの予測がされています(注1)。ところが先進国の人口ピラミッドは次のような形で、高齢者をささえる若年層が不足しています。改善の努力が先進国で行なわれてきましたが、ご承知のとおり日本は先細りが直っていません。ここに示しませんが、例えばインドやマレーシアでは各国の寺院の屋根のような形、アフリカ諸国では下辺の広いピラミッドです。(図が見づらい時はクリックしてご覧ください。)

若年層が少ないと平均寿命に影響するのかちょっと気になりますし、イスラエルの人口構成がきちんとしているのにも驚きます。少し脱線しますが、疑問を解くため年齢別の死亡率を調べたところ、高齢層と若年層では桁違いの差があり平均寿命に殆ど影響しないことが分りましたので更新しておきます。下の図は日本とイスラエルの比較です。

要するに平均寿命は純粋に伸びています(米英等で最近になって横ばい気味なのが気にはなりますがきっと原因があるでしょう)。仕事時代より退職後が長くなっているでしょうし、それを支える長い「年金生活」という発想は成り立ちにくくなるでしょう。

人生が1)学び、2)勤め、3)隠居の3ステージから成るという過去の観念は捨てる必要があるでしょう。ステージが混じり繰返すような「マルチステージ」(注1)の人生が増えるというわけです。日本では15歳未満と65歳以上が被扶養層と定義されていますが、70歳、さらに80歳まで仕事をするのが常識となるかもしれませんし、年齢だけでの差別はなくしていくべきと思えます。

最近のパーソナルPMコミュニティの会合で、メンバーの徳永光彦さんがマルチステージを取り上げられたのに触発され、筆者を含め多くのメンバーが現代の人生におけるその重要性に改めてフォーカスしています。一人では気づきにくいことも皆と検討すると気づくことの典型でしょう。

若手メンバーの柳沢大高さんは、スキル修得に関する執拗な研究成果の一端を、一般向け書籍として書かれています。8月23日に発行されることになりました。マルチステージへ向けた「学び」へ正面から向き合うための格好の書となることを期待しています。

改めて身近な人たちを見回せば、マルチステージを実践している人は既にたくさん居るのに気づきます。皆様の周囲にもおられるでしょうし、考えてみれば筆者もその仲間です。それが続けられるためには健康が第一ですし、自分で考えるミッション(目的の構造化)、柔軟な思考や新しいことを受容れる姿勢などがますます大事になると思います。

パーソナルPMコミュニティでは2018年10月14日(日)の午後、「パーソナルPMシンポジウム2018」(参加無料)を都内で主催することとなりました(満席となりお申し込みを締め切らせて頂きました)。

PPM18A6

その中で徳永さんのマルチステージ実践に基づく発表も予定されています。投稿が長くなり過ぎるため、「パーソナルPMシンポジウム2018」については後ほど別投稿としてご案内したいと思います。パーソナルPMに少しでもご興味をお持ちになられたら、どなたでも気楽にご参加いただけるようお待ちしています(すでに満席となりお申し込みを締め切らせて頂きました)。

(注1)Lynda Gratton & Andrew Scott, The 100 year Life,2016. 池村千秋訳、ライフシフト、東洋経済新報社、2016.

©2018 Akira Tominaga. All rights reserved.

 

目的があることは希望があるということ

思いがけない苦難に遭遇して意気消沈するといったことは、誰にも起こり得ることです。そういう場合に、早く前向きに立ち戻れるかどうかは、本人に何らかの希望や目的があるかどうかに左右されると思います。多くの先達もそのことについて言及されています(注1)。

その「希望」という言葉からもし宗教における解釈を外すなら、精神的な期待を指しているかと思います。苦境にあっても、もし何か一つでも目的を持っている場合なら、希望につながることは確かではないでしょうか。

筆者は、複数の大学院でPM講義を長年担当し、全受講者に毎回レビューシートを出してもらってきました。数は2万枚に達しますが、早い時点で気づいたことがあります。設問してみて分かったことなのですが、何らかの明確な目的を持っている人達は授業に前向きで生き生きして見えることです。逆にそうでない人達は、自分自身の現時点での目的がはっきりしていないという点です。

プロジェクトは「目標」を達成するための活動で、その集まりといえる「プログラム」はその上位に位置付けられる「目的」を達成しようとする活動です。言い換えれば大きく長いプロジェクトがプログラムであるともいえます。目的の上にはさら種々の上位目的があるわけで、例えば次の図で表せます。この構造は組織でも個人でも同じことです。

行為は目的を達成する手段で、目的はさらに上位の目的を達成する手段です。行為と目的の連鎖という概念は古今東西に見られます。例えばアリストテレスは「キーネーシス」(注2)と言い、道元は「俗世の行為は目的を目指す手段で目的は上位目的のための手段」(注3)と言い、そういう連鎖を断ち今に打ち込む概念をそれぞれ「エネルゲイア」、「座禅」としています。

とはいいながら、例えば道元が感銘した老典座(料理人)の無心の行為(注4)にも「長の務めを果たす」という明確な目的が筆者には感じられてしまいますが、どうでしょうか。現実の人生(つまり俗世)で明確な目的を目指すことの大切さは、幾多の著名人が述べているとおりだと思います。

例えばJ. F. ケネディは「目指す目的がないと努力も勇気も出せない」(注5)と言い、ダライ・ラマ14世は「人生で重要なことは目的をもつことだ」(注6)と言いました。ジョージ・ハラス(フットボール界リーダー)が「大勢が人生でもがく理由は、目指して活動すべき目的/目標がないから」(注7)と述べたのも納得できる名言だと思います。

===================

注1:川越厚、人間は最期の瞬間まで希望を持ちながら生きることができる、日経ビジネス2018年2月12日号「有訓無訓」、他にVictor Frankl, Man’s Search for Meaning, 1946.など.

注2:アリストテレス著・高田三郎訳、ニコマス倫理学、岩波文庫.

注3:道元著、正法眼蔵(しょうぼうげんぞう).解説本に 頼住光子、正法眼蔵入門、角川ソフィア文庫、2005.  頼住光子、道元 ─ 自己・時間・世界 はどの よう に成立 するのか、NHK出版、2005.

注4:道元、典座教訓.解説本に 藤井宗哲 訳・解説、典座教訓-禅の食事と心、角川学芸出版、2013.道元著中村璋八・ 石川力山 ・中村信訳、典座教訓・赴粥飯法、講談社学術文庫、1991.

注5:”Efforts and courage are not enough without purpose and direction.”-John F. Kennedy

注6:”The important thing is that men should have a purpose in life. It should be something useful, something good.”-Dalai Lama

注7:Many people flounder about in life because they do not have a purpose, an objective toward which to work.-George Halas

===================

©2018 Akira Tominaga. All rights reserved.

目的はいつも複数持つ

単純ですが、これは大事なことだと思います。今までこのLL集のどこにも書かれていないことに気づきましたので慌てて追加します。

1つだけの目標へと邁進するのが良いかのように書かれている自己啓発書籍は複数あります。ところが、その一つの目標をめがけて全てがうまく行っておればよいのですが、つまずいたり壁に当たったり、何らかの失敗や不遇はあるものです。

目標がひとつだけですとその際に心が折れやすく、立ち直り難くなります。目標を複数持っていれば、そういう場合に気持ちを入れ替えることができ、立ち直るのが容易になります。

困ったとき何度もそれに助けられてきているのですが、恐らくどなたも多かれ少なかれご経験をされ、思い当たることがあるのではないでしょうか。一つの目標だけに固執するのが間違いになることも多くあります(さらにご興味のある方はJohn Krumboltzの研究成果による著書をご参照)。

組織でも個人でも一般的に、目標(Objectives)の上には目的(Goals)があるべきで、その目的へ向かって目標が複数設定される形が普通でしょう。つまり目標の上の目的がしっかりしていることは重要です。ただ、目標と目的は相対的な位置づけですから、とどのつまりは目的を複数持つのが良いということに行き着きます。さらに、ここでは目標と目的だけ書いて言いますが、より上位のビジョンがしっかりしていることも大切なことだと思います。

上位の目的がしっかりしているのなら、それを目指す目標の一つや二つで失敗したからといって、ひどくは落ち込まないものです。逆に、失敗や不遇の経験がないことこそひどく落ち込む原因でしょう。そういう経験が豊富なら多少の事には負けませんし、偶然や失敗が次へのチャンスへとつながることもあるでしょう。

1つの目標だけに執着せず、柔軟な対応ができるためには、結局は「目的・目標の構造」を意識することが大事だと思います。このあたりは電子書籍「実践パーソナルプロジェクトマネジメント」に書かせていただきました。偶然の出来事や失敗は常にあるものですが、目的をめがけていることこそ、その偶然や失敗が好機となる源だと思います。

当たり前のことかもしれませんが、自分で忘れないためにも書かせていただきました。何かのご参考になれば幸いです。

©2017 Akira Tominaga. All rights reserved.

料理ができる男

ある時私はミシュラン三ツ星シェフの記事を読みました。理路整然とした 素晴らしい仕事ぶり、料理をする姿がカッコいい!以前から料理する男の姿に憧れはありましたが、”いや~無理です。できるわけないです。あなたITの人間でしょ?”などと自己批判し諦めていました。しかし、レシピがあれば一般の方でも料理はできますと言うコメントに乗せられてついに料理をすることを決意します。

俺料理できるんだぜ?なんて言えたらカッコいいな、と想像しつつまずは道具を揃えましょう。三ツ星シェフは道具にこだわります。その気になっている私は数万円の鍋や包丁を揃え、シェフのレシピ本も手に入れて、いざ料理するぞ!と意気込み、材料を調達しようとしたところ…トリュフに金目鯛に…あれ?…トリュフ?いくらするの?どこで売ってるの?金目鯛?魚さばけないけど………あぁ面倒くさい。そうして三ツ星シェフに憧れた私は包丁を握る前に挫折したのでした。

★★教訓1★★
その道のトップの話を見る聞くと一時的にできそうな感覚に陥る。そしてそれはただの妄想である。

数年後…イケメンアイドルがカッコよく料理するを姿をテレビで見ます。料理ができる男性はカッコいい!またもや料理ができる男に憧れた私は料理することを決意します。しかし、前回の教訓はいかさないと。トップレベルの料理は作れそうにないことはわかっているので今回は”男のための簡単料理本”を購入です。うん!これなら自分のレベルに合っていてできそうだぞ。その中からスペイン風オムレツを選択。なんか名前がカッコいいし、今まで食べたことないし、材料も玉子に野菜にお肉と近くのスーパーで手に入るぞ。

いざ調理を開始。調理器具は無駄に高価なモノがそろっています。下ごしらえも順調。そしてフライパンに材料を投入!野菜が結構余りそうだから多目に入れようかな。野菜好きだし、いい料理人は材料を使い切るって聞いたことがあるぞ。そしてオムレツのための玉子を投入!すると……あれ?!?!?玉子で閉じれない!!え?もしかして…野菜が多すぎて玉子で閉じることができないっ!!!その間にもどんどん玉子は固まっていきます。そして最終的にできたモノは…肉野菜炒めスクランブルエッグ。

★★教訓2★★
レシピは守れ。最初からアレンジするな。

数ヶ月後…料理の鉄人が麻婆豆腐を作っているのを目撃します。麻婆豆腐は何度か食べたことがあるし、そもそも簡単に調理できるレトルトっぽいのを見たことがあるぞ。前回の教訓をいかせ!最初はこれでいいじゃないか!豆腐にネギに簡単調理のソースを購入。レシピ通りにできた!見た目も抜群!いざ食してみると…あれ?そう言えば私は豆腐があまり好きじゃなかった…

★★教訓3★★
目標にとらわれて目的を見失うな。自分の価値感も大事にね。

数日後…誰にでもできると言われている究極の素人料理カレーライス。もうこうなったらこれしかありません。カレーは子供の頃から大好きです。器具がある、レシピがある、材料はぶつ切りするだけ、調理は材料と市販のカレールーを鍋に投入して待つだけ。。。できた。。。。そして口に入れると~美味い! でも…あれ?そういえばカレーって学生の頃散々作ってたっけ…

★★教訓4★★
自分の能力を覚えておけ!

その後…
 
今でも対外的に料理ができますとは言えません。イケメンアイドルが作るようなオシャレな料理もできません。しかし、レシピと材料があれば大抵の料理はできます。というよりもレシピと材料を見れば”自分が作れるかどうか”の判断がつきますし、どうしても作れるようになりたい場合は何回か練習すればできるだろうなとの予測が立てられます。そして何よりも料理する事自体が好きになりました。

★★最終的な教訓★★

何度失敗しても立ち上がって行動・改善すればある程度できるようになるし、新たな価値が生まれる。重要なのは動き出すこと。

振り返ると無駄な事してるなぁとも思えますが、現在の能力を考えると上記4つの失敗は本質的な失敗ではなかったと思います。できるようになるために必要な過程でした。行動したことが重要であって始める前から批判したり諦めたりするのが最も愚かなことだと。妄想だっていいじゃない!行動するきっかけになれば。最初に妄想したような”人に振る舞える料理が作れる”ようになったわけでもないですし、人に自慢することもありません。しかし、何もしない頃と比べれば能力向上は明らかですし個人的には満足しています。
 

★★簡単な分析と自分へのアドバイス★★

1回の行動につき複数の過ちを犯していますが、主な種類は大きく以下の4つです
◯自分の現状(レベルや能力種)を把握していない
◯先人の知恵に従っていない
◯目的と目標が明確になっていない
◯権威に惑わされて自分の価値感を忘れている
 
これらを踏まえて過去と未来の自分にアドバイスするとしたらどうでしょうか?
まず、格好つけたいのか、料理ができるようになりたいのかを明確にする。前者ならば、それは本当に料理で表現する必要があるのか?もしかしたらファッションでもよいのではないか?後者であれば、次に自分のレベルにあった料理を選択する。そして、本来の自分の価値観を確認し料理を選択する。これで少しは近道できそうです。

現状はabiltにより抽象化された能力習得法があるので始める前から諦めることはありません。自分の能力を形式化し、その能力を習得するまでの行動も構造化され記録されています。したがって忘れても、今後似たような能力が必要になったらそれを参照し思い出し、新しい能力習得に活かすことができます。またPPMの手法により習得までの期間を短縮したりスケジュールも管理できるでしょう。最初の行動まではいくつかの心理的要因によりますが、いざ行動を開始したらPPMやabiltのような手法を用いることで効率化できますし、心理的にもモチベーションがあがったり、楽しんだりできます。先人の知恵やテクノロジーをお借りできる毎日に感謝です。

パーソナルPMとファイナンシャル・プランニングの関わり

人生の夢や目標をかなえるために総合的な資金計画を立て、経済的な側面から実現に導く方法としてファイナンシャルプランニング(以降FPと呼ぶ)があります。
個人を対象とし個人の目的や目標を目指すという点で、パーソナルPMとFPは共通点があります。

パーソナルPMがモダンPMの考えや特に個人のやる気に注目し、FPが経済的側面を重視している点では違いがありますが、目指すところは一緒です。

そこで、FPが扱っている以下の6つの領域を検討してみます。
①金融資産運用設計②不動産運用設計③ライフプランニング・ リタイアメントプランニング④リスクと保険⑤タックスプランニング⑥相続・事業承継設計
これらは、パーソナルPMとしても、とても大切な領域です。

個人にとって、経済的な側面で、インパクトが大きいのが住宅取得、教育費、老後の費用です。その為に、中長期的な計画をしっかり立て早い段階から準備し、リスク対策をしっかり、行っておくことが必要です。
日頃から家計にかかわる金融、税制、不動産、住宅ローン、保険、教育資金、年金制度などの知識に関心を持つことが、大切になってきます。

個人版の事業計画とも言うべき、年毎の収入と支出を明確にしたライフイベント表を作成し、将来、お金がいくらかかるかということを家族の中で会話をするだけでも、将来への不安を、少しづつ拭い去ることができます。

ライフイベントの変化があるときは特に要注意です。例えば保険の見直しが必要になります。子供が小さいときと、自身の死亡保障は大きく、子供が就職したときは、死亡保障は少なくして、逆に医療保障を充実させるといったことも対策が必要になります。

もちろん、ライフイベントにおいて、リスクへの備えも必須です。
自身を含めた家族の重い病気への備え、教育費が上振れする場合の対策、加えて、身近な人の介護が必要になった場合や認知症になった場合などです。また、相続などの問題も起こることも考えられます。

人生の夢や目的、目標に向けた中長期計画を策定し、ライフステージ毎に見直し、あらかじめリスクを想定し対策を練っておくことが、とても大切だと思います。

© 2016Mitsuhiko Tokunaga, All rights reserved.

好きな言葉を集める

人生のプロジェクトは、必ずしも行き先が明確ではなく、環境にも左右される。特に20代は、高校や大学といった学校生活を終え、いよいよ社会人として、未知の世界に乗り出す。その時、今まで想像していなかったような判断や決断が求められることがある。そのような場合に、一度、自分自身を見つめなおし、どういう判断をすれば良いかを検討することがとても重要になる。

筆者がおすすめしたいのは、好きな言葉をノートに書き出し、整理していく作業である。それにより、自分自身の特性が見えてくるし、また、判断に迷った時の判断基準となる。

当然、人により、好きな言葉が異なるのは当然であるが、ここでは、筆者が20代の時に作成したものの一部を下図に紹介する。

page01

 

「To doは目的に準じる」という当たり前だけど難しいこと・・・

「やることが多すぎるんだよなぁ・・・」

といつもは不満たらたらなのに、「この数日中にやらなくてはならないTo do全て消化し切ってしまう」ようなことがたまに発生すると、何だかとても不安になり、うろたえることがあります。

こんな気持ちになる度に、「もしかしたら自分は、やることが目の前に山と積まれている状況がしんどいのではなく、逆にそれを望んでさえいるのではないだろうか」と感じます。ベルトコンベアで運ばれてくる部品を組み立てるロボットは、何のためにその部品を組み立てているのか知りません。同じように私も、目の前に積まれていくTo doにトリガーをかけられ、イベントドリブンで処理する作業に埋没することで、「果たして何のためにこのTo doをやっているのか」「自分が今やるべきことは本当にこれなのか」といった命題を忘れてしまっているのです。いや、それ以上に、忘れている状態がある意味、心地いいからこそ、目の前のTo doが無くなった状況に対して怖れを感じるのではないか、と思うのです。

ドラッカー教授は、「To doの緊急度と重要度とを明確に区別し、自らの時間を意識的に管理しようとしなければ、“緊急ではあるが重要でないこと”に時間のほとんどが費やされてしまい、“緊急ではないが重要なこと”にかける時間がなくなってしまう」と喝破されました。思うに、“緊急なこと”は誰でもすぐに分かるのですが、“重要なこと”を識別するのはとても難しいのです・・・なぜなら、「その“重要なこと”が重要である根拠」は、ゴールや目的の視点からのみ正当化され、説明可能なのであり、そしてそのゴールや目的は、自分自身の価値観から見出されるものだからです。「“重要なこと”は何か」に思いを馳せることは、少なくとも中長期に渡る目的を問うことであり、ひいては自らの価値観を見つめ直すことでもあります。重要度を考えずに目先のTo doに埋没する、すなわち“緊急である”という理由だけで高い優先順位を与えて行動することは、「一仕事した」というある種の充実感を伴う分だけなおさら、「本質的ではあるが突き詰めるのは苦しい人生の問いから目を逸らさせる」危険な誘惑なのかもしれません。

「この日にやらないといけないから」といったルーチンワークとしてのTo doではなく、「やると約束したから」という義務としてのTo doでもない、「ミッション→ビジョン→目的→目標→活動」という本来あるべき筋道を辿ったTo doに、今更ながら、しかし今こそ、取り組んでいきたいと考えています。To doの消化が怖れではなく、目的の達成に近づいていく喜びだと感じられた時こそ、自分が自分のミッションを正しく生きることができている証のような気がしています。

© 2015 Masao Kawasaki, All rights reserved.

目標の上位に目的があることを意識する

目標達成できなかったとき、その原因を探ると、何のためにするか目的がはっきりしないことがあります。辞書(デジタル大辞林)によりますと、目的は「実現しようとしてめざす事柄、行動のねらい、めあて」であり、目標は「そこに行き着くように、またそこから外れないように目印とするもの」です。マネジメント理論の中では「目標について活動の目的や課題に期間と到達レベルを加えたもの」と表現されています。目的を意識し達成可能な目印として目標をかかげ、着実に達成を積み上げてゆくことが効果的です。

自身が取り組んだ事例を二つ紹介します。ひとつめはメタボリックシンドローム診断によってメタボ予備軍と診断され、課題として取り組んだことです。目的は「生活習慣を見直し健康的な身体づくりを目指すこと」としました。最初に達成可能な短期目標として「体脂肪を削減するための減量」に取り組みました。当面の目標に集中して意識し「減量」を数ヶ月で達成しました。短期目標としての減量の目標を達成した後、目的を改めて認識したこともあり、標準体重の大切さを認識し「体形維持」に取り組みました。また生活習慣の改善が必要ということに気づき、よりよい「生活習慣の定着」といった意識改革に取り組みました。

一年後の定期健康診断の時には、メタボ予備軍からは脱出することができました。その後ほっとしたせいか、油断があり一年毎に1kgずつ体重が増え血圧の値も状態を維持することはできませんでした。再度、前記目的を意識して「減量および血圧対策」の取り組みを開始しました。日々一万歩を歩く目安とし階段の利用を心がけること、加えて早足での大股歩行をすること、更に食事面の改善です。健康寿命にとって小食(節食)がよいので、今まで満腹感が得られるまで食べていたことを改め腹八分にすること。また体調を整えることに効果がある食物繊維を豊富に摂取すること。更に発酵食品のさまざまな有用性を考慮して積極的に摂取することにしました。もともと少量で赤くなるタイプのためアルコールはコップ一杯程度におさえるといったことも心がけました。本ケースで目的を意識せず、ダイエットのため、数キログラムだけの減量だけを目標としていたら、その目標だけを達成し満足して時間がたってからリバウンドして元の体型に戻り、後で何のためにダイエットしたのだろうかと思っていたに違いありません。

もうひとつ事例を紹介させていただきます。定年後の生活を考えている50歳代の方に特に関係あるテーマです。会社の年金制度が確定給付型から確定拠出型となり、会社の保障から個人の自己責任による運用へと変わることになりました。年金も2014年4月以降60歳を迎えた方より61歳以降に2年毎に公的年金の受給開始が遅れることにより、60歳以降考えると資金運用を含めたお金に関する知識の必要性を痛感しました。更に会社での休日を利用したライフスタイルセミナーを受講したこともきっかけとなり、お金に関する知識が必要だということを強く認識しました。

そこで「お金に関する知識の習得」ことを目的としAFP(Affiliated Financial Planner)資格取得を最終的なゴールとしました。ファイナンシャルプランナー知識はライフスタイル・資金運用・税金・リスク(この場合は保険)相続等幅広い知識が必要とされます。生活に密着し、これからの人生設計に必要だという認識を持ったことも目標として目指した要因です。一挙にAFP資格取得を目指すのではなく、目標の構造化によりゴールを目指すこととしました。最初の短期目標はファイナンシャルプランナー3級資格取得、中期目標としてファイナンシャルプランナー2級資格取得、AFP認定研修終了後最終的にAFP資格習得することを目指しました。

一気に最終のゴールを目指すのではなくその道筋を考え、そのステップとして実現可能な目標を設定し積み上げていく姿勢が、結果として無理なく目的の実現に結び付きました。本ケースでは、いきなりAFP資格を目指すというやり方も考えられますが、集中した勉強時間の確保、やる気の継続、費用の確保といった課題があります。

© 2015Mitsuhiko Tokunaga, All rights reserved.

異動・転職は戦略的に

異動や転職など所属組織が変わることは人生において、大きな節目だと思います。私も過去に上司や人事部に相談し、異動させていただいたことが何回かあります。最も記憶に残っているのは、入社後6年目を迎えたときのことです。入社後ずっと同じチームに所属しており、責任ある仕事を任せていただいていました。居心地は良かったものの、この広い世の中でもっと色々な経験が必要なのではないかと迷いも生じていました。結果として異動をさせていただくことになりました。会社こそ変わっていないもの、その後も複数の部署や業務を経験して今に至っています。 

複数の異動の経験について、私は良かったと思っています。ただ、決して平坦な道のりではありませんでした。業務や環境が新しくなることで最も苦労することは、アウトプットが出せるまで時間を要することです。同じ業務や環境が長いほど、特に感じると思います。人間関係もゼロから作り直す必要があります。軌道に乗るまでのこの期間はなかなか辛いものです。

私は異動により自分の力不足を痛感しました。組織に縛られない専門性やスキルセットを身につけておく必要性について、身を持って感じました。つまりプロフェッショナルとして自立しないといけないということです。このことに気づけたことは良かったと思います。その後も複数の環境に身を置くことで、環境が変わっても生きていける強さが少しずつ養われた気がします。人間は環境が変わると活性化します。複数の業務や環境を経験することで、適性や活躍できる領域に改めて気づけるかもしれません。近年は新入社員を数年以内に必ずローテーションさせる企業も増えてきているようです。

社会人経験が少ないうちは全く業務が異なる職種や組織への異動も良い経験になると思います。年次があがると即戦力としてのアウトプットが求められます。よって、ある程度の年次を過ぎた後は過去の経験が繋がった異動が有利だと思います。注意点として、組織が異動先を決めるときには、各人の希望やキャリアを一番に考えてくれるわけではありません。人が足りないところへの配置が優先になります。専門分野や過去の経験がつながらない場合もあります。また、異動は半年から1年で繰り返すものではなく、数年に一度のものと思います。異動においては、可能であれば関係者に根回しを行い、一定のリスクは覚悟のうえで、慎重に戦略的に行う必要があるでしょう。一方、想定外の異動が思わぬチャンスをもたらすこともあるかもしれません。

特定分野をずっと続けたいのか、色々とチャレンジしていきたいのか二つの考えに優劣はありません。仕事人生を大きな視点で捉え、現在の業務や立場をどの位の期間続けたほうが良いか、次に必要な経験は何か、戦略的に組み立てたいものです。キャリアに正解はありません。自分で正解を導き出すしかないのです。