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変化する 仕事の経験 わが資産

仮登録(2023年9月発表資料から)

電力送配電の監視制御システム開発から始まって、原子力事業、デジタル家電事業、変電機器事業などを渡り歩き、その間、いろいろな職種を経験。システムの開発、プロセス改善、プロジェクトマネジメント、パッケージソフト開発、技術企画、ソフトウェア事業立ち上げ、大学生のキャリア研修、等々を経験。異動は最初、ショックであったが、次第にいろいろな経験や人との出会いがあり、今では資産となっている。 といったことを記載予定。

個人プロジェクトを振り返ることで、より強くなれます

私自身、あるとき、上司より呼ばれ、本来業務とは異なる業務を指示されたことがあります。市場対応で地方へ行って、1件1件お客様の家を回り、部品交換をするという内容でした。
土地勘のない場所で、顧客へのアポイントをとり、お客さまの家で部品交換させていただくのです。

どうして、自分がという思いがあり、いやな気分になりましたが、結局対応することになりました。 数日間はネガティブな感情がありました。それを克服できたのは、同じような経験したステークホルダーが身近に存在し、いろいろと不安な点を質問し、回答いただき、このことをパーソナルPMとして、取り組む決意したことでした。

経験のない初めての仕事は、プロジェクトとして取り組むことに限ります。以前、個人旅行をパーソナルPMとして取り組んだ経験が活かせるのではないかと前向きに思うようになったのです。海外への個人旅行の計画を立てたときに、現地に詳しい方すなわち、ステークホルダーの協力を得て、WBSを作成したこと、WBSをもとに概算のコストや1日ごとの予定、発生する可能性があるリスクへの備えなど計画を綿密に立てた経験が、活かせるのではないかと思いました。そして、以前の個人旅行の経験をもとに、やれそうだという自身が,わいてきました。

このように、自身に経験のないことをするためには、いままでの経験で活かせるものはないかという観点で探し、ひとつでも見つかると、できそうだという気になってきます。そのためには、今まで個人プロジェクトとして取り組み、目標達成できたとき、何がよかったのか何か改善すべきことはないかということを考えて、特定の課題克服だけでなく、他にも適用できないかと考える習慣が必要になってきます。専門的な知識を持っている人はもちろんですが身近な人と話し合ったりすることも効果的です。

© 2015Mitsuhiko Tokunaga, All rights reserved.

自信は人から与えられ人に与えるもの?

「セルフイメージ」とは自分をどんな人間と思い込むかということだと思います。もし悪い固定観念があれば、それが改善されることが成長の条件であると、会社の人事研修で聞いた覚えがあります。「自信」もその「セルフイメージ」の中に含まれる部分が多いように思われます。

6月と12月に千葉県の老舗の海苔屋からとても美味しい乾海苔が毎年送られてきます。ある出来事以来ずっと続いています。途中で何度かお断りをしてみたのですが、変わらず続いているので、たいへん有難くいただいています。ここで、その経緯をお話します。

40代前半のとき、私は営業所長に任命されました。プロジェクトリーダーで技術者だった私には、いちばん厭な管理職だったのですが、会社の命令であり断るのは無駄な抵抗だとわかりました。

しばらくたったある時、寡黙で仕事熱心な若手セールスマンが、家業を継ぐという理由で辞表を出したと伝えられました。若手のホープとして私は大いに期待していた社員なのでとても驚き慌てました。他の社員に聞くと、どうやら私の配下の課長が何かにつけ彼をひどく叱責し、本人が自信をなくしたというのも一因のようです。たいへんなことになりました。

その社員の自宅へ駆けつけ本人に会い話を聞きました。そしてお店で働いていた親父さん(社長)を呼んでもらいました。この社員がいかに有能な人材で、会社がいかに期待しているかということを、具体例を挙げて全力で親父さんに説明しました。そして家業を継ぐのは20年ぐらい待って欲しいと懇願しました。

親父さんは考え込んだあと、重い口を開きました。「倅が会社にそんなに期待されていたとはつゆ知らず、たいへん申し訳なかった。それを聞いてとても嬉しい。だが先週決めてしまったことで、残念だがもう取り返しがつかない。」 実に残念なことです!社員は私の隣で涙を流していました。

見込んだ社員を引き戻したい一心で行ったことが、彼に大きな自信を取り戻させたことは、鈍感な私にもすぐにわかりました。数年後、その老舗で働いていた彼の結婚式に招かれ祝詞を述べました。その後お子様が誕生しすくすく育っているという手紙をもらい自分のことのように嬉しくなりました。その後彼は船橋のその大きな老舗を継ぎました。それ以来海苔を送ってくれているのです。

これだけですとなんの変哲もない話になるかもしれません。しかし、一般管理職に全く自信のなかった私が、部下に自信をもたせることができたのに気付いたのです。このことが逆に、自分の固定観念となっていた管理職としてのセルフイメージを変えたのに気づいたわけで、一般管理職に少し自信がつくきっかけになった出来事でした。

つまり、自信が持てたことに感謝すべき側は、こちらでもあったわけです。人に自信を与えることで、自分に自信がつくという大事な事実に気づきました。それからは、不器用ながらも人に自信をもたせることを時々考えるようになり、相互に自信を増す現象があることに確信をもちました。そこをLessons Learnedとして伝えたいわけでした。もちろん自信の種類によることかもしれません。ご意見をお待ちします。

セルフイメージがいかに他人に影響されやすいものであるかという一例でもあると思います。加えて、他人に影響されて固定観念となってしまっている自分自身の悪いセルフイメージは、払拭できるということの証しでもあります。ごく最近になって、Wayne Dyersという人の書籍に出会い、そのことを改めて思い出した次第です。

©2015 Akira Tominaga. All rights reserved.

個人プロジェクトでの達成経験を積み重ねる

「今年の夏こそ、家族とともに米国の友人家族を訪ねて、子どもに海外体験をさせてあげたい」と、この十年、思ってきました。しかし、例年の如く、金銭、時間の都合によりそれを達成できなかった夏の終わりの日、以前から「無駄なお金と時間を使っているのではないか」と気になっていた、自身の喫煙習慣に思い至りました。そして、「いったい、私はタバコにいくら、そしてどれだけの時間を使っているのだろう」との考えから、年間の費用と時間を試算してみることにしました。

『410円×1.5箱/日×365日/年=224,475円/年』

『3分/本×30本/日×365日/年=32,850分/年=22.8日/年』

おそらくは無意識に目をそむけていたであろう、この簡単な計算結果を見て、私は衝撃を受けました。「喫煙の習慣さえ変えることができていたら、少なくとも2~3年に一回は家族で米国に行くことができた」ことに、そして「自ら決意して実行すれば達成できることすら、自分はしていなかった」ということに・・・

『心は行動となり、行動は習癖を生む。習癖は品性を作り、品性は運命を決する』という言葉があります。そのサイクルを変えるスタート地点は、もしかしたら“心”ではなく“習癖”なのかもしれません。そう考えると、「習癖を変えることで、行動を変え、心を変えることができるのではないか」、ひいては「その変わった心で毎日の仕事や生活に取り組むことで、運命を変えられるのではないか」という思いも昂じてきました。そこで、喫煙の習慣を早朝のランニングと筋トレの習慣に入れ替え、禁煙を達成する、個人プロジェクトを始めることにしました。目標は、来年の夏こそ家族で米国に行くことです。

それから2ヶ月、このプロジェクトには、目標の達成に近づくことに留まらず、達成に至る過程に多くの副産物があることに気づきました。家族と一緒に過ごせる時間が増えたことや、木々や鳥、青空に洗われた心で職場に向かえることはその一部です。加えて、「自分は自分自身をコントロールできる」「自分は諦めずに努力できる」という意識を、些細なことでも毎日やり遂げていく中で、少しずつ取り戻せるようになってきたことが最大の副産物ではないか、と感じています。

エジソンは『私達の最大の弱点は諦めることにある。成功するのに最も確実な方法は、常にもう一回だけ試してみることだ』という言葉を残しています。多くの先達が伝えるように「諦めない内は失敗ではない」のです。そして、続ける姿勢、それを支える自信を得るには、物事を達成した経験を積み重ねることが有効だと思います。

その反面、現代社会は、“諦める理由”がたくさんある、“達成感を感じづらい環境”になってしまっているように思います。居ながらにして膨大な情報を入手できるネットは、何もしない内から前途の難関や結果を否応無く思い起こさせます。職場では、“うまくいって当たり前”という状況の下、複数のプロジェクトに組み込まれ、達成した喜びを得る間もなく次のプロジェクトに忙殺されざるを得ない方も少なくないと思われます。もしその流れに身を委ねるだけになってしまったら、「結局、自分自身さえコントロールできない」という考えに陥ってしまうかもしれません。

その対処の一つとして、関心をお持ちの身近な分野について個人プロジェクトを始めてみたらいかがでしょうか?個人プロジェクトはステークホルダーが少なく、努力が成果に直結しやすいと言えます。自分で自分をコントロールしながら、諦めずに目標達成に向かっている感覚を得られます。たとえ小さくても、プロジェクトの過程と完遂を通じて得られた達成感、自信、やり続ける習慣は、自らの心を変え、ひいては運命を変えるきっかけになると思っています。

© 2015 Masao Kawasaki, All rights reserved.