カテゴリー別アーカイブ: 4-2 内発的動機づけ

自分以外の誰か、何かに没頭してこそ

「禁煙を成功させるには運動が一番だ!」と、ランニング、筋トレ、そして自転車通勤を始めたのですが、そうこうしている内に、「せっかく鍛えているのだから何か目的を持ちたい」という気持ちが昂じ、高校時代にかじった柔道を30年ぶりに再開することにしました。柔道の試合での勝利は、他のスポーツでの勝利以上に、自分に特別な高揚感を与えてくれると感じていました。「男性にとって“強い”ということは、無意識の奥底、本能に近いからこその高揚感なのだろう」「武道、格闘技を通じて自信を得ることは、今の仕事の役にも立つのではないだろうか」と思ったのです。

しかし、実際に道場に通い始めて分かったのは、「社会人になっても柔道を続けているのは強い人達ばかり」ということでした。高校や大学で柔道部やラグビー部に所属し、二段以上が当たり前、ずっと練習を積んできた20代や30代と戦って、30年のブランクがある50歳目前のおじさんが勝てるわけがなく、乱取りで投げられ、もしくは手加減され、自信を得るどころか粉々に砕かれてしまいました。道場の雰囲気はとても良く、そういう意味では楽しいのですが、“土佐犬の群れに紛れ込んだスピッツ”のように、「稽古自体が恐怖」という感覚に陥ってしまいました。

高校生の時は、たとえ投げられようとも、自分より明らかに強い相手にひたむきに立ち向かっていたのに、今はそれができない・・・このことから、自分がいかに、負けること、失敗することを恐れているのかを再認識しました。新入社員の時も、たとえ失敗しようともひたむきに取り組んでいたはずなのに、数十年が経ち、仕事に慣れ、上司という立場にもなり、失敗しない、失敗できないということに慣れるあまり、逆に「失敗を怖れて、失敗しそうなことには取り組まない」という姿勢が、知らず知らずの内に身に付いてしまったのかもしれない、と感じました。

ある日、打ち込みが終わって子ども達の乱取りの時間になり、疲れて道場の脇にへたり込んでいた時、怪我をさせないよう、また指導のため、多くの大人達が子どもの練習に付き添っていることに気付きました。それを見て、はたと「自分が強いとか、弱いとかではなく、目の前で練習している子ども達の役には立てるのではないか、いや、役に立ちたい」という思いが沸き起こってきました。それ以降、自分の打ち込みや乱取りが終わった後に休むのではなく、必ず子ども達に付き添い、見守り、応援するようにしました。しばらくして、子ども達の顔と名前が一致し始め、彼らの成長を心から喜べるようになった時、自分自身の稽古への恐怖心は消えていました。

パーソナルPMにおいて、やる気喪失への予防として「他人のためにやる」ことが挙げられています。また、心理学者のフランクルも“自己超越”という言葉を用いて、「人間は自分を忘れて対象に没頭した時のみ自己実現できる」という言葉を残しています。

柔道でも、仕事でも、「心のフォーカスが自分に向いている内は絶対に解決しない」ことを、「自分の勝ち負けや成功・失敗という次元で物事を捉えるのではなく、自分以外の誰か、何かに没頭することこそが大切である」ことを、この経験は期せずして教えてくれました。

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自分も人も褒めたことがありますか

頼りにしていたメンバーが会社を辞めたいと言ってきました。8月末に「退職願」を出してきました。何度も取り下げるよう頼みましたが気持ちは変わらず、9月末に退職してしまいました。このメンバーは技術力も知識もある、ベテランのグループリーダーでした。

今開発中のプロジェクトは1年前の10月から分析が開始され、来年の11月に本番を迎えます。彼は中心的な立場でしたので来年の11月までは一緒に目標に向かっていくものだと当然のように思っていました。だれも引き留めることができませんでした。引き継ぎはそれぞれのメンバーに対して行われ、引き継ぎ資料も整理されていました。

退職希望については半年前に一度聞かされていました。今回は2回目となりますので予測しておくべきだったかもしれません。あるいは他の対応策があったかもしれません。

半年前の辞めたい理由には、体制図と実態が合っておらず、立場と役割の不明確さが一番でしたので、グループリーダーとしての立場と役割を明示しました。

目標を明確にし、自身の立場も明確にしましたので納得して会社に残ることを了解してくれました。

また、仕事のマンネリ化、保守・維持している業務範囲が5、6年間変わらず面白みが減っている、自身のスキルアップが図れない、また開発を依頼してくる客先のメンバーのスキルが低すぎる、というものもありましたが、これについては我々の努力により興味を持てるような工夫と提案をしていきましょうと助言し、納得してもらいました。

自分に関しては今までプロジェクトの途中でやる気をなくしたプロジェクト(目標)は個人プロジェクトを除き、ほとんどありません。やる気をなくすようなプロジェクトについては思い出せないか記憶から抹消しているだけかもしれませんが。

先日「こころのチキンスープ5」を読んで気づきました[1]。彼に対して人前でほめたことはなかったような気がします。

彼の仕事ぶりについては、正確さと的確なスケジュール管理および作業指示について、みんなが信頼していることは彼には周知の事実だと思っていました。振り返ってみると「ありがとう」という言葉はよく使っていましたが、「人前でほめる」ということは一度もなかったような気がします。彼が辞めた今になって反省しています。

彼の自尊心を認めて、評価して気持ち良く仕事ができるような環境にしていなかったと、大いに反省しています。

やる気がなくなった彼がやる気を出すようにするには、どのようにすればよかったでしょうか。

パーソナルプロジェクトマネジメントの「やる気がなくなった時に効果がある解決策」10項目のうち、彼にも当てはまるものがあったでしょうか[2]。

それは「目標の明確化」「人に宣言」「時間割」「とにかく行動」「ライバルへの意識」「他人のためにやる」「モデルになりきる」「座右の銘を携帯」「自分に掛け声」「自分にご褒美」という10項目です。

彼へは「目標の明確化」「人に宣言」「他人のためにやる」「自分にご褒美」があてはまったかもしれません。

しかし、やはり「人に宣言」ではみんなの前でグループリーダーの紹介として発表しましたが、「ご褒美」というものはありません。「ご褒美」とは、みんなの前で「ほめる」ことにあてはまるかもしれません。彼の場合、できて当然と認識していたので人前でほめることには至りませんでした。

今後、やる気対策を立てておくということを実践しようと思っています。予防策としてはどうすればよいかも一緒に検討すればやる気喪失は軽減または解決されるはずです。

やる気対策として個人プロジェクトの場合は「自分をほめる」という1項目を追加したいと思います。そして組織プロジェクトの場合、やる気がなくならないよう「ほめる」ということを習慣づけたいと思います。

みなさんも、プロジェクトの途中でやる気がなくなった時、今までがんばってきた自分をほめてみませんか。

ついでに「こころのチキンスープ 5 自分の仕事好きですか」に、ほめるコツが書いてありましたので書いておきます。その場でほめる、心からほめる、具体的にほめる、面と向かって直接ほめる、ほめた後に批判を付け加えない、日常的にほめる。

参考文献

[1]ジャック・キャンフィールド ジャクリーヌ・ミラー著 由布翔子訳「こころのチキンスープ 5 自分の仕事好きですか」 ダイヤモンド社

[2]パーソナルPM研究会/冨永章編著 「パーソナルプロジェクトマネジメント」 日経BP社

 

自分自身に対する褒美の工夫でやる気UP

組織のプロジェクトに関して、携帯電話の新製品開発を例にあげてみます。開発が計画どおり進み製品を出荷し販売も好調になれば、プロジェクトに携わってきたメンバーは、お客さんや会社の経営層から褒めていただき、表彰され、給与のアップといったことが期待できます。それに対して個人のプロジェクトの場合は、外からの報酬は期待できないのですが、資格取得や個人旅行、ダイエット等の目標を達成したこと自体が自信となり、そのことが自分に対する褒美ではないかと思われます。

シャーロックホームズの冒険ドラマ「まだらの紐」の冒頭場面で、女性がシャーロックホームズに、困った表情で調査の依頼に来た時に、今はお金がないが、結婚したら独立してお金が入り、そのときお礼するというシーンがあります。その時シャーロックホームズは、報酬は自分の仕事そのものと言い切っています。このようなお金以外の褒美こそ、個人のプロジェクトを遂行する原動力となり、その点に着目することが重要です。

お金以外で、やる気アップに結び付くものはどんなものがあるでしょうか? 自身の例ですが、仕事や趣味、資格取得などの目標を達成することで、達成感を味わうことです。仕事など何かすることが、自身のキャリア開発に役立つといったこともやる気アップに繋がります。他に考えられることは自分の成長につながると意識できることもそうです。また仕事を通じて、まわりの人やお客さんから喜んで頂き、評価された時も、他人に役立ったという充実感が味わえます。

組織の中で仕事を任される場合、組織の目標があり、その中に個人の目標があります。個人にとっても、仕事の関する目標と仕事以外の目標があります。ふたつの目標が、それぞれ異なれば、仕事と仕事以外で、ふたつの目標を追いかけなければなりません。もし、ふたつの目標を工夫してひとつにできれば、やる気もがぜん変わってきます。組織における個人の目標と個人のキャリア開発の目的や目標の重なりを多くし、的を絞った目標設定を行うことで、常に頭の中で目標を意識することができるからです。このような心の面の褒美に着目することが大切ではないでしょうか。

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禁煙プロジェクト -気持ちいいから続けられる-

タバコを吸わない方にはなかなかお分かりにならないと思いますが、多くの喫煙者は今、以下のような葛藤の中で暮らしていると思います(私もそうでした)。

(喫煙しながら)「値上がりしたし、今後も値段は上がる一方だし、小遣いきついなぁ・・・」

「最近は吸わない人の方が多いから、外で吸える場所を探すのも大変だし、飲みに行っても肩身が狭いんだよなぁ・・・」

「健康にも悪いと言われてるし、ベランダで吸ってても妻や子どもから『ベランダがタバコ臭い』と怒られるし、いっそ禁煙しようかなぁ・・・」

「いや・・・待てよ・・・タバコなくして、俺は毎日のストレス、あんなことやこんなことに果たして耐えられるのか?」

「まぁ、タバコは、一人でいたくなった時に『一本吸ってくる』と言うための小道具でもあるし、喫煙所でのコミュニケーションも意味あるし、悪いことばかりじゃないよな・・・」

「喫煙して病気になるかどうかは時の運だしな。俺は病気にならないかもしれないし・・・そうだ!だいたい、妻も子どもも“臭い”とかじゃなくて、俺の健康を心配すべきなんだ!」

「色々と考えてたら疲れたわ・・・もう一本吸おう」(→最初に戻る)

そして、この葛藤で“禁煙しよう”という気持ちが勝利することが稀にあり、その時、人は禁煙に挑戦するのでしょう。自分も例外ではないのですが、私の場合、その挑戦にことごとく失敗してきました。

1.最初の失敗:ニコチンガムとニコチンパッチ(だけ)

俗に言う“ニコチン置換療法”です。何もないよりましなのですが、どうしても喫煙と同じレベルでの満足感が味わえない・・・調べてみると「喫煙は静脈注射並みのスピード、約7秒でニコチンを脳に届ける」とのこと。消化器経由や皮膚経由では効きが遅すぎ、かつピーク値も低いからであろうと納得するも、後はひたすら我慢の日々。その内、仕事の能率にも支障が出始め、“禁煙うつ”的な状態に陥り、「一本だけなら・・・」とタバコを手に取ったら、あっという間に元通りの喫煙者になりました・・・

2.二回目の失敗:禁煙補助薬(だけ)

禁煙補助薬としてチャンピックスが保険適用になったと聞いて、「これで私もタバコを止めれるかも」と“お医者さんと禁煙”し始めました。確かにこの薬はすごいのです・・・薬さえ飲んでいたら、タバコを吸わなくても、ほとんどニコチンへの渇望を感じません。

無事に3ヶ月間の服用期間を終え、お医者さんから「禁煙成功しましたね!」と言われてからが本当のヤマでした・・・タバコを吸う代わりに間食してしまうのです。体重は見る見る内に増えて肥満になり、健康診断の数値も禁煙前より悪化し、タバコの代わりにお菓子を買ってしまうので小遣いにも余裕ができず、「何のために禁煙したんだろ、俺・・・」という気持ちが強くなっていきました。そして非常にストレスフルな出来事があったある日、「一本だけなら・・・」とタバコを手に取ると、再度、喫煙者に逆戻りでした・・・

3.三度目の正直:禁煙補助薬+習慣の入れ替え

「禁煙成功したのね!」と喜んでいた妻や子どもから“意志が弱い人”という冷たい視線を浴び、「また失敗したら恥ずかしすぎる」と、三度目の挑戦に対してはかなりの及び腰でした。二度目の失敗から3年間に渡って吸い続けた後、葛藤の中で再度“禁煙”が勝利することがあり、三度目の挑戦をすることにしました。但し今回は、ニコチンガムやニコチンパッチ、禁煙補助薬に頼り切るようなことはせず、“タバコがなぜ止めにくいのか”敵のことを研究した上で、パーソナルプロジェクトらしく実践することにしました。

調べてみると喫煙習慣は、βエンドルフィンやドーパミン、セロトニンといった、多幸感や達成感、安心感を司る脳内ホルモンが“ニコチンによって過剰に分泌される”中毒症状であることが分かりました。そして、そういった脳内ホルモンは禁煙補助薬でも食事でも分泌されるので、二回目の失敗において、私自身は意識できていませんでしたが、

「イライラする→タバコを吸う→脳内ホルモンが分泌される→スッキリする」

→「禁煙補助薬を飲む→脳内ホルモンが分泌される→そもそもイライラしない」

→「イライラする→間食する→脳内ホルモンが分泌される→スッキリする」

という当然の経過を辿っていたことに気付きました。

他方、一回目の失敗では、ニコチンガムやニコチンパッチで緩和されてはいたものの、

「イライラする→タバコを吸う→脳内ホルモンが分泌される→スッキリする」

→「イライラする→タバコを吸えない→脳内ホルモンが分泌されない→スッキリしない」

という、これまた当然の我慢をしていたのです。

この解決策として、友人が紹介してくれた「習慣の力」という本がとても役に立ちました。この本には、「無意識下で回っている『きっかけ→習慣→報酬』のサイクルにおいて、あるきっかけをトリガーに報酬を求めること自体は変えられないが、習慣だけを入れ替えることによって、このサイクルが人生にもたらす影響を変えることができる」といった主旨のことが書かれていました。また、別の文献を調べると、運動することによっても同種の脳内ホルモンが分泌されることが分かりました。

そこで今回は、フェーズ1として、禁煙補助薬を服用してまずは喫煙習慣だけ止めた後、

「イライラする→間食する→脳内ホルモンが分泌される→スッキリする」

⇒肥満&不健康&浪費

ではなく、フェーズ2として、

「運動する→脳内ホルモンが分泌される→そもそもイライラしない」

⇒筋肉質&健康&貯金

を目指して、ランニングと筋トレの日課を設定、その実績をモニタリングすることにしました。

4.気持ちいいから続けられる

開始から一年近くが経ちましたが、今も全くストレスなく禁煙を続けることができています。それだけではなく、喫煙者であった時にタバコを渇望していたように、今では運動を渇望するようになりました。最近は、ランニングと筋トレだけでは飽き足らず、自転車通勤も始めています。タバコを止めたいから、健康にいいから、無理に自分を鼓舞して運動しているわけでも何でもなく、ただ気持ちいいから運動して、結果、タバコを吸いたいという気にさえならない、という変化が起きています。“脳内ホルモン分泌による快感への欲求”を充足させるための手段の違いだけであるにも関わらず、その手段の違いが自分の生活に与える影響の違いには非常に大きいものがあります。

この経験を通じて、「物事を成し遂げるために、我慢して、自分を律して、何かをする」ことよりも、「意図して自分の習慣をデザインし、プロセス自体気持ちいいから継続できて、結果として物事が達成される」ことの方が、成功する確率が高いのではないかと考えるようになりました。

たまたま禁煙をテーマに書いてきましたが、「プロセス自体を楽しめるかが重要」という点では、他の私事であっても、そして仕事であっても、変わりはないようにも思えます。喫煙者で「禁煙したい」と思っている方だけではなく、非喫煙者の方にも役立てていただけるとしたら、この拙文を書いた者として幸せに思います。

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「とにかく具体的に動いてごらん・・・」相田みつを/詩人

中国へ初めて行ったときのことです。

会社訪問と観光旅行を兼ねていました。上海の会社訪問が終わった翌日、過去に日本でIT関連の仕事経験のある中国人女性に案内をしていただき、上海観光をしました。

101階建ての上海環球金融中心(森ビル)や、豫園(庭園)などです。夜には、知り合いの富士通中国の中国人の方に案内され日本風居酒屋で食事をしました。この方も日本語がとても上手な方でした。

翌日、銀行へ行って日本円を中国の元に両替をしました。ホテルのフロントで両替すれば、日本語が通じるので楽だったのですが、好奇心で銀行へ行ってみることにしました。銀行なら日本語が通じるのではないかと思ったのですが、無理でした。

中国の銀行は、厳格な感じで悪い人を警戒しているような張りつめた雰囲気がありました。両替は、面前ではやりとりせず1メートル以上離れたところから指示されます。手渡しではなく、日本円を入れるボックスに日本円を入れると、入れ違いに中国の元を受け取るボックスに中国元が送られてきます。警備員か銀行員かわかりませんが、ずーっと監視されています。日本の場合は窓口も可能ですがATMで自分で操作しますから、ATMは面前ではない、という意味では同じかもしれません。

中国の漢字は、日本の漢字と意味が同じものが多いため、文字で意味がわかったりします。それで、甘く考えたところはあります。発音は全く聞き取れず、情けない限りでした。

それで、中国語を勉強しようと、思ったわけです。

自分で目標を決めスケジュールをたてます。最初は成功した場合を思い描きますので、楽しく進むことができています。

目標は「1年以内に中国語の日常会話ができるようになること」です。NHKの中国語講座を受けることにしました。

でも仕事が忙しいため、平日の夜の放送時間に間に合わず、ビデオをとることも億劫でなかなかうけることができません。それでDVDつきの中国語入門の本を購入し、毎日電車の中で聞くことにしました。

それが急にやる気がなくなることがありました。

2か月後の5月、中国政府と杭州市主催のフォーラムに参加するために2度目の中国訪問をしました。前回案内してくれた友人に会うことを楽しみにしていました。

中国人の友人は、日本語がどんどん上達していきます。一方、私は片言の中国語の単語をつなげただけです。街中の商店での買い物は、挨拶と単語と数で何とか目的の物を買えましたが、相手の言っていることが、早口過ぎて何を言っているか全くわかりませんでした。

聞き取れないので、復唱しようにも発音が難しく、このままでは覚えることができない、と、焦り始めました。

そして仕事が忙しいことを言い訳にして、やる気も無くしていきました。

「やる気がなくなった時に効果がある解決策」を準備していました。「やる気の出し方」には「目標の明確化」「人に宣言」「時間割」「とにかく行動」「ライバルへの意識」「他人のためにやる」「モデルになりきる」「座右の銘を携帯」「自分に掛け声」「自分にご褒美」という10項目です。

やる気喪失の予防としては「目標の明確化」「人に宣言」「時間割」「とにかく行動」「ライバルへの意識」「他人のためにやる」の6個を実施し、やる気がなくなった時には「モデルになりきる」「座右の銘を携帯」「自分に掛け声」「自分にご褒美」の実践が良いと考えます。

個人の目標の場合、自分に甘くなり挫折してしまう可能性があります。そんな時にやる気を出すための次の方策はどうでしょう。

「とにかく行動」は、「やる気が出るまで待たない」ということです。相田みつを氏の次の詩にもありました。

「とにかく具体的に動いてごらん

   具体的に動けば具体的な答が出るから」   相田みつを/詩人

まだまだ道は遠いですが、くじけそうになる自分に「とにかく行動」と言い聞かせています。

中国語会話という、高すぎる目標に挫折した悪い例ですが、目標を立て直すか、計画を見直すかについても、今考えているところです。

みなさんもやる気を喪失したときにこれをぜひ実践してみてはいかがでしょう。予防策も一緒に検討すれば、やる気喪失は軽減または解決されると思います。

やる気がなくなる原因を見つけて解決策を準備しておきましょう

友人が持っていた布製の手作りブックカバーを見て、温かみがあり実用的なオリジナルブックカバーを作りたいと思い立ち、「布製ブックカバー製作」という個人プロジェクトをやってみました。

ブックカバーと言ってもいろいろな大きさの本があります。一番手頃な文庫本用のカバーにしました。目標の期間は材料準備を含め1ヵ月と決めました。この製作のために使う時間は土曜日と日曜日の1時間ずつとし、1週間ごとのスケジュールをたてました。作業を分割し計画表を作成します。

目標の期間1ヵ月のスケジュールを立て作業を割り当てて、マイルストーンを決めます。作業の種類と内容は、型紙の作成、表布、裏布、補強布の材料の購入、布に型紙を当ててカットする型取り、表布と裏布の縫製、アイロン掛けでの仕上げとなります。

1週目の土曜日と日曜日は型紙の作成のため、作成方法が載っている本を探しましたが見つからず、書店でもらう紙カバーを元にすることにしました。本の寸法を測り、折り返し部分を計算し必要な布の長さを決めます。表布1枚では弱いため補強布を当てます。補強布は表布全体に貼りますので型紙は表布と同じです。裏布は別途準備しますが、折り返し部分が不要なため表布より幅の狭い型紙が必要となります。寸法を測って型紙を作成します。

2週目の土曜日に手芸専門店へ行き、布と芯を購入します。寸法の図り間違いのリスクおよび布の裁断間違いのリスクを想定し、少し余裕がある寸法の布を2枚分購入します。これはリスクの予見となります。翌日の日曜日に型紙を作ります。

3週目の土曜日は、型紙に合わせて布を裁断する予定でした。ところが家庭の事情で自分の時間がとれず作業に遅れが生じました。布を広げるスペースの確保と、家族に邪魔をされない時間と場所の確保が難しくなり、布の裁断手前で作業が止まってしまいました。個人プロジェクトですので、目標の完了予定日を後ろにずらしてもだれにも迷惑を掛けません。スケジュールの引き直しをすることにしました。

これが問題でした。一度スケジュールを変更すると次の週も後ろ倒しに変更することが平気になってしまい、気持ちがくじけてしまいました。「やる気がなくなった」状態です。

そこで「やる気がなくなった時に効果がある解決策」を検討しました。「目標の明確化」「人に宣言」「時間割」「とにかく行動」「ライバルへの意識」「他人のためにやる」「モデルになりきる」「座右の銘を携帯」「自分に掛け声」「自分にご褒美」という10項目です。

今回、「目標の明確化」「人に宣言」「時間割」を実践してみました。

遅延の理由は家庭内の優先度の高い作業の割り込みでした。作業を中断したため、家族との調整も必要でした。この場合、家族がステークホルダー(利害関係者)となります。

「目標の明確化」として、友人に完成品を見せてもらって再度確認しました。「人に宣言」では家族に対して目標を説明し、土曜日と日曜日の午後1時から2時まで声を掛けないでもらうようにしました。

無理のないWBSを作成します。「時間割」を見直してもう少し余裕のあるスケジュールにすれば、気持ちにもゆとりをもつことができます。

この3つの要素を取り込み、予定より大分遅れましたが作業を再開し3ヶ月後に完成しました。自分の作品だという満足感を得ることができました。

みなさんも、やる気がない時の解決策を準備しておいてはいかがでしょう。予防策も一緒に検討しておけば、やる気喪失を軽減または解決できると思います。

 

 

やる気アップ・ダウンの原因を探る

個人の目標達成に向けて、やる気を維持できるかということが大切な要素です。

自身にとってやる気アップおよびその逆のやる気ダウンすることを、それぞれ五つ挙げ、どうしたらやる気の喪失を防ぐことができるか検討しました。

さっそく、やる気アップに繋がるものから、リストアップします。

一つ目は、目的が明確で目標を目指しているときです。会社員の場合は、やる気をアップさせるには、会社の目標と個人の目標を限りなく一致させるような努力が必要です。

二つ目は、人から認められることです。お客様の満足が得られ関係者から評価いただくことです。仕事に関わらずお客様の反応を知ることは大切な要素です。お客様からの感謝のお言葉かけていただくときは、この上ない喜びを感じます。

三つ目は仕事などに面白みを感じ自主的に改善・提案ができ、自身の成長に繋がると認識できたときです。自ら提案し行動し成果が得られたとき達成感が味わえます。どんな仕事でも主体的に行動するような取り組みが必要です。

四つ目は、同僚 上司 家族等、人間関係に心配ごとがないことです。同僚や上司、また家族、特に配偶者とは、毎日少しでも会話できるように、何でも話せるような雰囲気づくりが必要です。

五つ目、給料、勤務地など生活が安定することです。報酬が多いに越したことはありませんが、やりたいことの時間確保と報酬のバランスが重要です。

次にやる気ダウンに繋がることから、リストアップします。
一つ目、何のために行うのか目的がはっきりせずに目標が適切でなかったことです。目的を明確にし、道順を考えそのステップとして実現可能な目標設定してゆくことが大切です。

二つ目、一生懸命がんばったのに関係者の理解が得られず、努力、成果が正当に評価されないことです。常日頃、上司・同僚や家族とのちょっとした会話を心がけ、価値観についても理解しておくことが必要です。

三つ目、体調不良になったときです。病気になりにくい体を作るために生活習慣を見直すなど健康面で常日頃から気を付けることです。

四つ目、やるべきことが多くストレスを感じる時です。何でもかんでもTo-Doリストに埋め込んでしまうことです。 To-Doリストの中で日々アクションするものについて、10件程度に抑え、詰めすぎないようにする意識が必要です。

五つ目は意外かもしれませんが、期限がないことです。期限がないということは、締め切りがないため、いつでもできると思って安心してしまい結局できていなかったになります。必ず期限を設定する必要があります。

以上のようにやる気アップする要因とその逆にやる気ダウンする原因から、考察しますと自身にとって、やる気が喪失する原因が、より明らかになり、対策を立てやすくなります。

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運動部で学んだこと

 自身が物事に取組む姿勢を学んだのは、大学で所属したスキークラブにあると思っています。当時すでに創立35年を超えていたそのクラブでは何事にも真剣に取り組む姿勢が文化として確立されていました。オフシーズンは陸上トレーニングを十分に行い、大会に向けて冬は1か月に及ぶ長期合宿を行います。合宿では上級生の指導のもと、朝から夕方まで毎日練習に励みます。上下関係がしっかりしており、食事の準備や洗濯は下級生が行います。下級生は先輩を起こし早朝から全員で体操をします。下級生は部員を喜ばせるため、様々なコスチュームでスキーをしたり毎晩芸を披露したり、合宿を盛り上げることも求められます。ここでは書けない類のイベントも色々とありました。今の時代にはそぐわない部分もあるかもしれませんが、メンバーの結束は今でも固く、物事に取り組む姿勢を学んだ一番の良い経験でした。

 仕事も遊びも真面目に取り組む姿勢は今も大切にしています。能動的な姿勢で物事にあたることは、自分自身にとって気持ちの良いものです。仕事もプライベートも予定の多い状態のほうが充実した気分を味わえます。受身の姿勢よりまずは積極的に何でもやってみる姿勢のほうが、お客様からも仲間からも良い印象を持たれることが多いです。意外なことですが忙しくて大変な時ほど、同時に複数の成果が上げることが多い気がします。これまでの自身の経験からも、自分から能動的に動くことでチャンスが回ってくるものと思っています。

 大学卒業後、スキークラブの仲間達とは毎年夏に1泊2日の旅行をしています。海で子供達と遊んだり、バーベキューや花火をしたりすることは、1年を通じて最も楽しみなイベントの1つになっています。この集まりは彼是10数年も続いており、これからも続いていくことでしょう。