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「予め リスク押さえて 慌てない」

個人プロジェクトにおいても予めリスクを洗い出して、影響度の大きいリスクに対して事前に対応すると同時に、発生時の対応も考えておくことをお薦めます。

たとえば、冠婚葬祭のように開始時刻が決まっている所用で出かける場合には、事前対応策として早めに出発することに加えて、いつものルートに電車事故が発生した場合に備えて代替ルートを複数考えておくと、慌てずに済みます。インターネット上にいろいろな行き先検索ソフトがあるので、事前にリスク発生時対応策が考えやすくなりました。人身事故があったり、車両点検があったり、台風や大雨で運転見合わせがあったり、リスク対応の必要性が増しています。

先日、あるところでたまたま1時間半ほど話す機会がありました。持参したパソコンと会場に備え付けのプロジェクタの相性が悪く、表示させることができませんでした。幸い、念のために発表用データをUSBメモリに保存していたので、会場に備え付けてあるパソコンにUSBメモリを挿して事無きを得ました。これは過去の失敗経験に基づくリスク対応策によるものです。事前に持参するパソコンを会場のプロジェクタと接続して表示確認を行えない場合や会場が遠方にあって事前の確認が無理な場合には、今回のような対応策を考えておくといざという時に冷静に対応できます。

違った事例として、かなり前のことですが、方針がよく変わる上司がいました。上司より上の人や周りの意見に影響されて方針や方向が変わるたびに、現場の皆さんは大変な目に遭いました。そのうち、変わることがあるという前提で、考えるようにしました。予め変わるかもしれないというリスクを考慮しておくことで、変更があっても慌てず気分を害することなく、その対応策をとればいいようになりました。当初はリスク対応策を考えること自体にムダと憤りを感じていましたが、他人は変えられないということを思い出して、常にリスクを考えて仕事をするようにしました。このやり方にしてから結果的には精神衛生上もとても良かったと今でも思っています。

リスク対応を考えることはムダではなく、心の余裕を生み出すものです。

 

(c)2015 Fumiaki Tanaka All rights reserved.

個人プロジェクトでの達成経験を積み重ねる

「今年の夏こそ、家族とともに米国の友人家族を訪ねて、子どもに海外体験をさせてあげたい」と、この十年、思ってきました。しかし、例年の如く、金銭、時間の都合によりそれを達成できなかった夏の終わりの日、以前から「無駄なお金と時間を使っているのではないか」と気になっていた、自身の喫煙習慣に思い至りました。そして、「いったい、私はタバコにいくら、そしてどれだけの時間を使っているのだろう」との考えから、年間の費用と時間を試算してみることにしました。

『410円×1.5箱/日×365日/年=224,475円/年』

『3分/本×30本/日×365日/年=32,850分/年=22.8日/年』

おそらくは無意識に目をそむけていたであろう、この簡単な計算結果を見て、私は衝撃を受けました。「喫煙の習慣さえ変えることができていたら、少なくとも2~3年に一回は家族で米国に行くことができた」ことに、そして「自ら決意して実行すれば達成できることすら、自分はしていなかった」ということに・・・

『心は行動となり、行動は習癖を生む。習癖は品性を作り、品性は運命を決する』という言葉があります。そのサイクルを変えるスタート地点は、もしかしたら“心”ではなく“習癖”なのかもしれません。そう考えると、「習癖を変えることで、行動を変え、心を変えることができるのではないか」、ひいては「その変わった心で毎日の仕事や生活に取り組むことで、運命を変えられるのではないか」という思いも昂じてきました。そこで、喫煙の習慣を早朝のランニングと筋トレの習慣に入れ替え、禁煙を達成する、個人プロジェクトを始めることにしました。目標は、来年の夏こそ家族で米国に行くことです。

それから2ヶ月、このプロジェクトには、目標の達成に近づくことに留まらず、達成に至る過程に多くの副産物があることに気づきました。家族と一緒に過ごせる時間が増えたことや、木々や鳥、青空に洗われた心で職場に向かえることはその一部です。加えて、「自分は自分自身をコントロールできる」「自分は諦めずに努力できる」という意識を、些細なことでも毎日やり遂げていく中で、少しずつ取り戻せるようになってきたことが最大の副産物ではないか、と感じています。

エジソンは『私達の最大の弱点は諦めることにある。成功するのに最も確実な方法は、常にもう一回だけ試してみることだ』という言葉を残しています。多くの先達が伝えるように「諦めない内は失敗ではない」のです。そして、続ける姿勢、それを支える自信を得るには、物事を達成した経験を積み重ねることが有効だと思います。

その反面、現代社会は、“諦める理由”がたくさんある、“達成感を感じづらい環境”になってしまっているように思います。居ながらにして膨大な情報を入手できるネットは、何もしない内から前途の難関や結果を否応無く思い起こさせます。職場では、“うまくいって当たり前”という状況の下、複数のプロジェクトに組み込まれ、達成した喜びを得る間もなく次のプロジェクトに忙殺されざるを得ない方も少なくないと思われます。もしその流れに身を委ねるだけになってしまったら、「結局、自分自身さえコントロールできない」という考えに陥ってしまうかもしれません。

その対処の一つとして、関心をお持ちの身近な分野について個人プロジェクトを始めてみたらいかがでしょうか?個人プロジェクトはステークホルダーが少なく、努力が成果に直結しやすいと言えます。自分で自分をコントロールしながら、諦めずに目標達成に向かっている感覚を得られます。たとえ小さくても、プロジェクトの過程と完遂を通じて得られた達成感、自信、やり続ける習慣は、自らの心を変え、ひいては運命を変えるきっかけになると思っています。

© 2015 Masao Kawasaki, All rights reserved.

目標の上位に目的があることを意識する

目標達成できなかったとき、その原因を探ると、何のためにするか目的がはっきりしないことがあります。辞書(デジタル大辞林)によりますと、目的は「実現しようとしてめざす事柄、行動のねらい、めあて」であり、目標は「そこに行き着くように、またそこから外れないように目印とするもの」です。マネジメント理論の中では「目標について活動の目的や課題に期間と到達レベルを加えたもの」と表現されています。目的を意識し達成可能な目印として目標をかかげ、着実に達成を積み上げてゆくことが効果的です。

自身が取り組んだ事例を二つ紹介します。ひとつめはメタボリックシンドローム診断によってメタボ予備軍と診断され、課題として取り組んだことです。目的は「生活習慣を見直し健康的な身体づくりを目指すこと」としました。最初に達成可能な短期目標として「体脂肪を削減するための減量」に取り組みました。当面の目標に集中して意識し「減量」を数ヶ月で達成しました。短期目標としての減量の目標を達成した後、目的を改めて認識したこともあり、標準体重の大切さを認識し「体形維持」に取り組みました。また生活習慣の改善が必要ということに気づき、よりよい「生活習慣の定着」といった意識改革に取り組みました。

一年後の定期健康診断の時には、メタボ予備軍からは脱出することができました。その後ほっとしたせいか、油断があり一年毎に1kgずつ体重が増え血圧の値も状態を維持することはできませんでした。再度、前記目的を意識して「減量および血圧対策」の取り組みを開始しました。日々一万歩を歩く目安とし階段の利用を心がけること、加えて早足での大股歩行をすること、更に食事面の改善です。健康寿命にとって小食(節食)がよいので、今まで満腹感が得られるまで食べていたことを改め腹八分にすること。また体調を整えることに効果がある食物繊維を豊富に摂取すること。更に発酵食品のさまざまな有用性を考慮して積極的に摂取することにしました。もともと少量で赤くなるタイプのためアルコールはコップ一杯程度におさえるといったことも心がけました。本ケースで目的を意識せず、ダイエットのため、数キログラムだけの減量だけを目標としていたら、その目標だけを達成し満足して時間がたってからリバウンドして元の体型に戻り、後で何のためにダイエットしたのだろうかと思っていたに違いありません。

もうひとつ事例を紹介させていただきます。定年後の生活を考えている50歳代の方に特に関係あるテーマです。会社の年金制度が確定給付型から確定拠出型となり、会社の保障から個人の自己責任による運用へと変わることになりました。年金も2014年4月以降60歳を迎えた方より61歳以降に2年毎に公的年金の受給開始が遅れることにより、60歳以降考えると資金運用を含めたお金に関する知識の必要性を痛感しました。更に会社での休日を利用したライフスタイルセミナーを受講したこともきっかけとなり、お金に関する知識が必要だということを強く認識しました。

そこで「お金に関する知識の習得」ことを目的としAFP(Affiliated Financial Planner)資格取得を最終的なゴールとしました。ファイナンシャルプランナー知識はライフスタイル・資金運用・税金・リスク(この場合は保険)相続等幅広い知識が必要とされます。生活に密着し、これからの人生設計に必要だという認識を持ったことも目標として目指した要因です。一挙にAFP資格取得を目指すのではなく、目標の構造化によりゴールを目指すこととしました。最初の短期目標はファイナンシャルプランナー3級資格取得、中期目標としてファイナンシャルプランナー2級資格取得、AFP認定研修終了後最終的にAFP資格習得することを目指しました。

一気に最終のゴールを目指すのではなくその道筋を考え、そのステップとして実現可能な目標を設定し積み上げていく姿勢が、結果として無理なく目的の実現に結び付きました。本ケースでは、いきなりAFP資格を目指すというやり方も考えられますが、集中した勉強時間の確保、やる気の継続、費用の確保といった課題があります。

© 2015Mitsuhiko Tokunaga, All rights reserved.

お客様のトップと良い関係を作るには借りを作る?

プロジェクトリーダーのメンタリングを行う機会が時々あります。そこではPM(プロジェクトマネジメント)の知恵に加え、スポンサーとの良い関係をどう作るかについて、自分のLL(Lessons Learned)を持ち出して参加者に考えてもらうことが多くなりました。過去にお客様と接する第一線の仕事を長年やっていましたので、そこでいろんな知恵をいただき、自分なりに咀嚼してきましたが人に披露するような機会はあまりないものでした。

ところが複数の大学院でPMを教えるようになると、ステークホルダー・マネジメントの経験談をたくさん聞きたいというフィードバックが多いのに気付きました。そこでそういう知恵をネタにいれることがだんだん増えて来ました。もちろんやりすぎると、「年寄りの自慢話」として嫌われることは間違いないですから、ほどほどにはしています。そういう中から「顧客へのペネトレーション」、とくにお客様の上層部をどうやって味方につけるかという点のLessons Learnedです。

SE時代に色んなお客様のシステム構築プロジェクトをやっていました。相当昔ですし地方でしたから、SEは珍しいしお客様チームの中のリーダー的存在でした。しかし、一介の若僧の言うことが、お客様の中の関連部門長などに簡単に受け入れてもらえるわけではありません。もし聞いてもらえないとプロジェクトが失敗するというような場面も何度も起きます。そこで、お客様のキーマンやトップを味方につける必要がどうしてもあったものです。

そしてお客様トップとの定期的会合をどこでもお願いするようになりました。そんな機会で某社にお伺いしたある日のこと、K社長が「今日は相談があるのでお酒でも」とのこと。社長車でフグ料理屋につれていかれました。地元の名士ですから料理屋のご主人の対応はこの上なく丁寧です。トイレをお借りしご主人に「大ごちそうになりどうしたものか」と聞いたら、即座に耳打ちしてくれました。「お客さんは若いのだから偉い人には素直にごちそうになるもので、決して払ってはいけません。借りを返すような良いお仕事をしてください」。

そう言われて気付きました。当然ながら20代の若僧がお支払できるようなお店ではありません。借りを作ったのですが、K社長には「貸しは仕事で返してくれる相手だろう」という期待があるのです。期待に応えられるように頑張っていると、その後K社長に奢られる機会はどんどん増えました。それにしたがって、組織では自然な現象ですが、お客様の上層部の方々の多くが私の意見に従ってくれるようになったのです。

このことは他のお客様でも同じです。社長に限らずお客様の目上の方と接する場合には、そのような借りを作ることです。地方赴任から戻り大企業を担当した際でも同じことが起きました。この原理は、時代を経ても他の国であっても同じだと思います。割り勘などしてはいけません。若い人たちにこれを得意になって話したその夜のこと、私はすっかり奢らされてしまいました。

パーソナルPM忍法帖

「パーソナル・プロジェクトマネジメント」は個人のプロジェクトマネジメントのこと。日本生まれで2005年ぐらいからまとめられてきて、その知識を整理するパーソナルPMフレームワークも整ってきました。普通のPMでいえば知識体系の目次。このBlogでもそのうちにご紹介したいと思いますが、お急ぎの方の参考書は日経BP社の「パーソナルプロジェクトマネジメント」です。

パーソナルプロジェクトマネジメントの研究は日本で2004年以前から始まり、個別の情報発信が始まりました。2007年4月には「パーソナルPM研究会」がPM学会内に作られ、継続的な追究が開始され研究が加速されました。そして2014年5月には、ご関心をもたれた関係各位のご努力により、自由な追究・実践のための「パーソナルPMコミュニティ」が学会外に誕生しました。いっぽうパーソナルPM研究会の2016年3月完了に伴い、以後この開かれたコミュニティ活動(参照:PPMcommunity-TsCs-01)へと活動が統合され、現在に至っています。つまり「分身の術」と「合体の術」を重ねたものです。

本ブログはワールドクラフト様のお世話になりながら掲載させていただいています。当面はLessons learned(教訓)をメンバーが忍法のようにあれこれ書いて行く筈です。ご関心をお持ちの方のお役に立つように、一同頑張りたいと思います。・・と述べる筆者本人は、ゆっくりのペースで書くことになると思います。事情で暫らくの間、時間が拘束されているためですが。しかしそういうことは理由になりにくいものですね(^_^: 書いてしまってから反省しきりです。

2015.3.6

(c)2015 Akira Tominaga, All rights reserved.

 

 

LL投稿開始

サイトは未完成ですが、投稿を開始して編集を始めて頂いて大丈夫です。