カテゴリー別アーカイブ: 4 内発的動機づけ

「とにかく具体的に動いてごらん・・・」相田みつを/詩人

中国へ初めて行ったときのことです。

会社訪問と観光旅行を兼ねていました。上海の会社訪問が終わった翌日、過去に日本でIT関連の仕事経験のある中国人女性に案内をしていただき、上海観光をしました。

101階建ての上海環球金融中心(森ビル)や、豫園(庭園)などです。夜には、知り合いの富士通中国の中国人の方に案内され日本風居酒屋で食事をしました。この方も日本語がとても上手な方でした。

翌日、銀行へ行って日本円を中国の元に両替をしました。ホテルのフロントで両替すれば、日本語が通じるので楽だったのですが、好奇心で銀行へ行ってみることにしました。銀行なら日本語が通じるのではないかと思ったのですが、無理でした。

中国の銀行は、厳格な感じで悪い人を警戒しているような張りつめた雰囲気がありました。両替は、面前ではやりとりせず1メートル以上離れたところから指示されます。手渡しではなく、日本円を入れるボックスに日本円を入れると、入れ違いに中国の元を受け取るボックスに中国元が送られてきます。警備員か銀行員かわかりませんが、ずーっと監視されています。日本の場合は窓口も可能ですがATMで自分で操作しますから、ATMは面前ではない、という意味では同じかもしれません。

中国の漢字は、日本の漢字と意味が同じものが多いため、文字で意味がわかったりします。それで、甘く考えたところはあります。発音は全く聞き取れず、情けない限りでした。

それで、中国語を勉強しようと、思ったわけです。

自分で目標を決めスケジュールをたてます。最初は成功した場合を思い描きますので、楽しく進むことができています。

目標は「1年以内に中国語の日常会話ができるようになること」です。NHKの中国語講座を受けることにしました。

でも仕事が忙しいため、平日の夜の放送時間に間に合わず、ビデオをとることも億劫でなかなかうけることができません。それでDVDつきの中国語入門の本を購入し、毎日電車の中で聞くことにしました。

それが急にやる気がなくなることがありました。

2か月後の5月、中国政府と杭州市主催のフォーラムに参加するために2度目の中国訪問をしました。前回案内してくれた友人に会うことを楽しみにしていました。

中国人の友人は、日本語がどんどん上達していきます。一方、私は片言の中国語の単語をつなげただけです。街中の商店での買い物は、挨拶と単語と数で何とか目的の物を買えましたが、相手の言っていることが、早口過ぎて何を言っているか全くわかりませんでした。

聞き取れないので、復唱しようにも発音が難しく、このままでは覚えることができない、と、焦り始めました。

そして仕事が忙しいことを言い訳にして、やる気も無くしていきました。

「やる気がなくなった時に効果がある解決策」を準備していました。「やる気の出し方」には「目標の明確化」「人に宣言」「時間割」「とにかく行動」「ライバルへの意識」「他人のためにやる」「モデルになりきる」「座右の銘を携帯」「自分に掛け声」「自分にご褒美」という10項目です。

やる気喪失の予防としては「目標の明確化」「人に宣言」「時間割」「とにかく行動」「ライバルへの意識」「他人のためにやる」の6個を実施し、やる気がなくなった時には「モデルになりきる」「座右の銘を携帯」「自分に掛け声」「自分にご褒美」の実践が良いと考えます。

個人の目標の場合、自分に甘くなり挫折してしまう可能性があります。そんな時にやる気を出すための次の方策はどうでしょう。

「とにかく行動」は、「やる気が出るまで待たない」ということです。相田みつを氏の次の詩にもありました。

「とにかく具体的に動いてごらん

   具体的に動けば具体的な答が出るから」   相田みつを/詩人

まだまだ道は遠いですが、くじけそうになる自分に「とにかく行動」と言い聞かせています。

中国語会話という、高すぎる目標に挫折した悪い例ですが、目標を立て直すか、計画を見直すかについても、今考えているところです。

みなさんもやる気を喪失したときにこれをぜひ実践してみてはいかがでしょう。予防策も一緒に検討すれば、やる気喪失は軽減または解決されると思います。

やる気がなくなる原因を見つけて解決策を準備しておきましょう

友人が持っていた布製の手作りブックカバーを見て、温かみがあり実用的なオリジナルブックカバーを作りたいと思い立ち、「布製ブックカバー製作」という個人プロジェクトをやってみました。

ブックカバーと言ってもいろいろな大きさの本があります。一番手頃な文庫本用のカバーにしました。目標の期間は材料準備を含め1ヵ月と決めました。この製作のために使う時間は土曜日と日曜日の1時間ずつとし、1週間ごとのスケジュールをたてました。作業を分割し計画表を作成します。

目標の期間1ヵ月のスケジュールを立て作業を割り当てて、マイルストーンを決めます。作業の種類と内容は、型紙の作成、表布、裏布、補強布の材料の購入、布に型紙を当ててカットする型取り、表布と裏布の縫製、アイロン掛けでの仕上げとなります。

1週目の土曜日と日曜日は型紙の作成のため、作成方法が載っている本を探しましたが見つからず、書店でもらう紙カバーを元にすることにしました。本の寸法を測り、折り返し部分を計算し必要な布の長さを決めます。表布1枚では弱いため補強布を当てます。補強布は表布全体に貼りますので型紙は表布と同じです。裏布は別途準備しますが、折り返し部分が不要なため表布より幅の狭い型紙が必要となります。寸法を測って型紙を作成します。

2週目の土曜日に手芸専門店へ行き、布と芯を購入します。寸法の図り間違いのリスクおよび布の裁断間違いのリスクを想定し、少し余裕がある寸法の布を2枚分購入します。これはリスクの予見となります。翌日の日曜日に型紙を作ります。

3週目の土曜日は、型紙に合わせて布を裁断する予定でした。ところが家庭の事情で自分の時間がとれず作業に遅れが生じました。布を広げるスペースの確保と、家族に邪魔をされない時間と場所の確保が難しくなり、布の裁断手前で作業が止まってしまいました。個人プロジェクトですので、目標の完了予定日を後ろにずらしてもだれにも迷惑を掛けません。スケジュールの引き直しをすることにしました。

これが問題でした。一度スケジュールを変更すると次の週も後ろ倒しに変更することが平気になってしまい、気持ちがくじけてしまいました。「やる気がなくなった」状態です。

そこで「やる気がなくなった時に効果がある解決策」を検討しました。「目標の明確化」「人に宣言」「時間割」「とにかく行動」「ライバルへの意識」「他人のためにやる」「モデルになりきる」「座右の銘を携帯」「自分に掛け声」「自分にご褒美」という10項目です。

今回、「目標の明確化」「人に宣言」「時間割」を実践してみました。

遅延の理由は家庭内の優先度の高い作業の割り込みでした。作業を中断したため、家族との調整も必要でした。この場合、家族がステークホルダー(利害関係者)となります。

「目標の明確化」として、友人に完成品を見せてもらって再度確認しました。「人に宣言」では家族に対して目標を説明し、土曜日と日曜日の午後1時から2時まで声を掛けないでもらうようにしました。

無理のないWBSを作成します。「時間割」を見直してもう少し余裕のあるスケジュールにすれば、気持ちにもゆとりをもつことができます。

この3つの要素を取り込み、予定より大分遅れましたが作業を再開し3ヶ月後に完成しました。自分の作品だという満足感を得ることができました。

みなさんも、やる気がない時の解決策を準備しておいてはいかがでしょう。予防策も一緒に検討しておけば、やる気喪失を軽減または解決できると思います。

 

 

やる気アップ・ダウンの原因を探る

個人の目標達成に向けて、やる気を維持できるかということが大切な要素です。

自身にとってやる気アップおよびその逆のやる気ダウンすることを、それぞれ五つ挙げ、どうしたらやる気の喪失を防ぐことができるか検討しました。

さっそく、やる気アップに繋がるものから、リストアップします。

一つ目は、目的が明確で目標を目指しているときです。会社員の場合は、やる気をアップさせるには、会社の目標と個人の目標を限りなく一致させるような努力が必要です。

二つ目は、人から認められることです。お客様の満足が得られ関係者から評価いただくことです。仕事に関わらずお客様の反応を知ることは大切な要素です。お客様からの感謝のお言葉かけていただくときは、この上ない喜びを感じます。

三つ目は仕事などに面白みを感じ自主的に改善・提案ができ、自身の成長に繋がると認識できたときです。自ら提案し行動し成果が得られたとき達成感が味わえます。どんな仕事でも主体的に行動するような取り組みが必要です。

四つ目は、同僚 上司 家族等、人間関係に心配ごとがないことです。同僚や上司、また家族、特に配偶者とは、毎日少しでも会話できるように、何でも話せるような雰囲気づくりが必要です。

五つ目、給料、勤務地など生活が安定することです。報酬が多いに越したことはありませんが、やりたいことの時間確保と報酬のバランスが重要です。

次にやる気ダウンに繋がることから、リストアップします。
一つ目、何のために行うのか目的がはっきりせずに目標が適切でなかったことです。目的を明確にし、道順を考えそのステップとして実現可能な目標設定してゆくことが大切です。

二つ目、一生懸命がんばったのに関係者の理解が得られず、努力、成果が正当に評価されないことです。常日頃、上司・同僚や家族とのちょっとした会話を心がけ、価値観についても理解しておくことが必要です。

三つ目、体調不良になったときです。病気になりにくい体を作るために生活習慣を見直すなど健康面で常日頃から気を付けることです。

四つ目、やるべきことが多くストレスを感じる時です。何でもかんでもTo-Doリストに埋め込んでしまうことです。 To-Doリストの中で日々アクションするものについて、10件程度に抑え、詰めすぎないようにする意識が必要です。

五つ目は意外かもしれませんが、期限がないことです。期限がないということは、締め切りがないため、いつでもできると思って安心してしまい結局できていなかったになります。必ず期限を設定する必要があります。

以上のようにやる気アップする要因とその逆にやる気ダウンする原因から、考察しますと自身にとって、やる気が喪失する原因が、より明らかになり、対策を立てやすくなります。

© 2015Mitsuhiko Tokunaga, All rights reserved.

個人プロジェクトでの達成経験を積み重ねる

「今年の夏こそ、家族とともに米国の友人家族を訪ねて、子どもに海外体験をさせてあげたい」と、この十年、思ってきました。しかし、例年の如く、金銭、時間の都合によりそれを達成できなかった夏の終わりの日、以前から「無駄なお金と時間を使っているのではないか」と気になっていた、自身の喫煙習慣に思い至りました。そして、「いったい、私はタバコにいくら、そしてどれだけの時間を使っているのだろう」との考えから、年間の費用と時間を試算してみることにしました。

『410円×1.5箱/日×365日/年=224,475円/年』

『3分/本×30本/日×365日/年=32,850分/年=22.8日/年』

おそらくは無意識に目をそむけていたであろう、この簡単な計算結果を見て、私は衝撃を受けました。「喫煙の習慣さえ変えることができていたら、少なくとも2~3年に一回は家族で米国に行くことができた」ことに、そして「自ら決意して実行すれば達成できることすら、自分はしていなかった」ということに・・・

『心は行動となり、行動は習癖を生む。習癖は品性を作り、品性は運命を決する』という言葉があります。そのサイクルを変えるスタート地点は、もしかしたら“心”ではなく“習癖”なのかもしれません。そう考えると、「習癖を変えることで、行動を変え、心を変えることができるのではないか」、ひいては「その変わった心で毎日の仕事や生活に取り組むことで、運命を変えられるのではないか」という思いも昂じてきました。そこで、喫煙の習慣を早朝のランニングと筋トレの習慣に入れ替え、禁煙を達成する、個人プロジェクトを始めることにしました。目標は、来年の夏こそ家族で米国に行くことです。

それから2ヶ月、このプロジェクトには、目標の達成に近づくことに留まらず、達成に至る過程に多くの副産物があることに気づきました。家族と一緒に過ごせる時間が増えたことや、木々や鳥、青空に洗われた心で職場に向かえることはその一部です。加えて、「自分は自分自身をコントロールできる」「自分は諦めずに努力できる」という意識を、些細なことでも毎日やり遂げていく中で、少しずつ取り戻せるようになってきたことが最大の副産物ではないか、と感じています。

エジソンは『私達の最大の弱点は諦めることにある。成功するのに最も確実な方法は、常にもう一回だけ試してみることだ』という言葉を残しています。多くの先達が伝えるように「諦めない内は失敗ではない」のです。そして、続ける姿勢、それを支える自信を得るには、物事を達成した経験を積み重ねることが有効だと思います。

その反面、現代社会は、“諦める理由”がたくさんある、“達成感を感じづらい環境”になってしまっているように思います。居ながらにして膨大な情報を入手できるネットは、何もしない内から前途の難関や結果を否応無く思い起こさせます。職場では、“うまくいって当たり前”という状況の下、複数のプロジェクトに組み込まれ、達成した喜びを得る間もなく次のプロジェクトに忙殺されざるを得ない方も少なくないと思われます。もしその流れに身を委ねるだけになってしまったら、「結局、自分自身さえコントロールできない」という考えに陥ってしまうかもしれません。

その対処の一つとして、関心をお持ちの身近な分野について個人プロジェクトを始めてみたらいかがでしょうか?個人プロジェクトはステークホルダーが少なく、努力が成果に直結しやすいと言えます。自分で自分をコントロールしながら、諦めずに目標達成に向かっている感覚を得られます。たとえ小さくても、プロジェクトの過程と完遂を通じて得られた達成感、自信、やり続ける習慣は、自らの心を変え、ひいては運命を変えるきっかけになると思っています。

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運動部で学んだこと

 自身が物事に取組む姿勢を学んだのは、大学で所属したスキークラブにあると思っています。当時すでに創立35年を超えていたそのクラブでは何事にも真剣に取り組む姿勢が文化として確立されていました。オフシーズンは陸上トレーニングを十分に行い、大会に向けて冬は1か月に及ぶ長期合宿を行います。合宿では上級生の指導のもと、朝から夕方まで毎日練習に励みます。上下関係がしっかりしており、食事の準備や洗濯は下級生が行います。下級生は先輩を起こし早朝から全員で体操をします。下級生は部員を喜ばせるため、様々なコスチュームでスキーをしたり毎晩芸を披露したり、合宿を盛り上げることも求められます。ここでは書けない類のイベントも色々とありました。今の時代にはそぐわない部分もあるかもしれませんが、メンバーの結束は今でも固く、物事に取り組む姿勢を学んだ一番の良い経験でした。

 仕事も遊びも真面目に取り組む姿勢は今も大切にしています。能動的な姿勢で物事にあたることは、自分自身にとって気持ちの良いものです。仕事もプライベートも予定の多い状態のほうが充実した気分を味わえます。受身の姿勢よりまずは積極的に何でもやってみる姿勢のほうが、お客様からも仲間からも良い印象を持たれることが多いです。意外なことですが忙しくて大変な時ほど、同時に複数の成果が上げることが多い気がします。これまでの自身の経験からも、自分から能動的に動くことでチャンスが回ってくるものと思っています。

 大学卒業後、スキークラブの仲間達とは毎年夏に1泊2日の旅行をしています。海で子供達と遊んだり、バーベキューや花火をしたりすることは、1年を通じて最も楽しみなイベントの1つになっています。この集まりは彼是10数年も続いており、これからも続いていくことでしょう。