異動・転職は戦略的に

異動や転職など所属組織が変わることは人生において、大きな節目だと思います。私も過去に上司や人事部に相談し、異動させていただいたことが何回かあります。最も記憶に残っているのは、入社後6年目を迎えたときのことです。入社後ずっと同じチームに所属しており、責任ある仕事を任せていただいていました。居心地は良かったものの、この広い世の中でもっと色々な経験が必要なのではないかと迷いも生じていました。結果として異動をさせていただくことになりました。会社こそ変わっていないもの、その後も複数の部署や業務を経験して今に至っています。 

複数の異動の経験について、私は良かったと思っています。ただ、決して平坦な道のりではありませんでした。業務や環境が新しくなることで最も苦労することは、アウトプットが出せるまで時間を要することです。同じ業務や環境が長いほど、特に感じると思います。人間関係もゼロから作り直す必要があります。軌道に乗るまでのこの期間はなかなか辛いものです。

私は異動により自分の力不足を痛感しました。組織に縛られない専門性やスキルセットを身につけておく必要性について、身を持って感じました。つまりプロフェッショナルとして自立しないといけないということです。このことに気づけたことは良かったと思います。その後も複数の環境に身を置くことで、環境が変わっても生きていける強さが少しずつ養われた気がします。人間は環境が変わると活性化します。複数の業務や環境を経験することで、適性や活躍できる領域に改めて気づけるかもしれません。近年は新入社員を数年以内に必ずローテーションさせる企業も増えてきているようです。

社会人経験が少ないうちは全く業務が異なる職種や組織への異動も良い経験になると思います。年次があがると即戦力としてのアウトプットが求められます。よって、ある程度の年次を過ぎた後は過去の経験が繋がった異動が有利だと思います。注意点として、組織が異動先を決めるときには、各人の希望やキャリアを一番に考えてくれるわけではありません。人が足りないところへの配置が優先になります。専門分野や過去の経験がつながらない場合もあります。また、異動は半年から1年で繰り返すものではなく、数年に一度のものと思います。異動においては、可能であれば関係者に根回しを行い、一定のリスクは覚悟のうえで、慎重に戦略的に行う必要があるでしょう。一方、想定外の異動が思わぬチャンスをもたらすこともあるかもしれません。

特定分野をずっと続けたいのか、色々とチャレンジしていきたいのか二つの考えに優劣はありません。仕事人生を大きな視点で捉え、現在の業務や立場をどの位の期間続けたほうが良いか、次に必要な経験は何か、戦略的に組み立てたいものです。キャリアに正解はありません。自分で正解を導き出すしかないのです。

パーソナルPM忍法帖

「パーソナル・プロジェクトマネジメント」は個人のプロジェクトマネジメントのこと。日本生まれで2005年ぐらいからまとめられてきて、その知識を整理するパーソナルPMフレームワークも整ってきました。普通のPMでいえば知識体系の目次。このBlogでもそのうちにご紹介したいと思いますが、お急ぎの方の参考書は日経BP社の「パーソナルプロジェクトマネジメント」です。

パーソナルプロジェクトマネジメントの研究は日本で2004年以前から始まり、個別の情報発信が始まりました。2007年4月には「パーソナルPM研究会」がPM学会内に作られ、継続的な追究が開始され研究が加速されました。そして2014年5月には、ご関心をもたれた関係各位のご努力により、自由な追究・実践のための「パーソナルPMコミュニティ」が学会外に誕生しました。いっぽうパーソナルPM研究会の2016年3月完了に伴い、以後この開かれたコミュニティ活動(参照:PPMcommunity-TsCs-01)へと活動が統合され、現在に至っています。つまり「分身の術」と「合体の術」を重ねたものです。

本ブログはワールドクラフト様のお世話になりながら掲載させていただいています。当面はLessons learned(教訓)をメンバーが忍法のようにあれこれ書いて行く筈です。ご関心をお持ちの方のお役に立つように、一同頑張りたいと思います。・・と述べる筆者本人は、ゆっくりのペースで書くことになると思います。事情で暫らくの間、時間が拘束されているためですが。しかしそういうことは理由になりにくいものですね(^_^: 書いてしまってから反省しきりです。

2015.3.6

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