メンバーの中嶋秀隆さんから「失敗録を書いてみようではないか」という提案がありました(2月15日第139回会合)。「失敗をした時はとても深刻な場合もある。しかし乗り越えて来れたわけで、後になれば客観視もでき易い。例えば20年も経てば逆に人生の糧と感じることもある・・・」。
なるほど、失敗録は人にも組織にも役立ちそうですね。参加者の皆さんも、「失敗を気にし過ぎたり挑戦を避けたりが蔓延する今だから、若い人達にも役立ちそう」、「失敗録は人に貢献できるばかりか、パーソナルPMの発展にも有意義ではないか」などと大いに賛同。まずは試しに始めてみることにします。
ところが・・
いざ何か披露しようと私が考えても、実はなかなか思い出せません。それもその筈、「嫌な失敗は思い出さずに、さっさと忘れて前を向こう。その時の教訓だけを記録して生かせばいいのだから・・。忘れるには一切思い出さない」主義を長年実行してきたからなのです^^; 数々の失敗を努めて忘れてきたとはいえ、今回「是非やろう」と大賛成した手前、何か探さなくてはいけません。。。
20年ぐらい前の記録を調べていたら、やっと一つ思い出しました!2002年に某国際会議の組織委員長としての挨拶の準備をしました。視力が悪くともチラ見ができるよう、大きめの用紙に大きな英宇で箇条書きメモを作りました。1度だけ練習して「これなら大丈夫」という思い込みをしました。
シンガポールの会場は冷房が効き立派でした。最初に登壇してビックリ。壇上には手元照明がありません!それどころか話が始まると照明が次第に落ちるしかけ。メモは見えない、まずいなあ;;;(←冷や汗です)。しかし満員の聴衆を前にもう後の祭り。仕方がない・・と腹を括って即席で開始。気の利く話を入れるつもりが思い出せない^^; 予定より少し早く何とか降壇。今や何を喋ったか思い出せませんが、短くしてよかったなあ^^;と胸をなでおろしながら座席に戻り、快適な冷房の中で再び冷汗タラタラでした。今考えてもゾッとします。
それ以後、大事な会議の際はメモとともに小さな懐中電灯をポケットに忍ばせることにしました。尤も社内の国際会議では左右か壇の先端にプロンプターがあったりスライドを使ったりするのが多かったのですが、ある時その小さな灯りで助かったことがあります。とても救われた感じでした。そして私の最大の進歩は、あの時以後は事前練習を絶対やるようにしたことです。聴衆の立場を考えれば当然のことなのですが。
失敗は過ぎ去ればその後の人生の栄養になる。
後で講義を長年楽しんで行なうようになったのもそのおかげだと思います。とはいっても、過去にはこんなに生易しい失敗ではなく、もっとひどく落ち込んだのも沢山あったように思います。まずは最初に思い出したのを書かせていただきました。
今や、「失敗を思い出すな」という人への勧めとは逆に、失敗をなんとか思い出そうと考えています^^;